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社会保障費予算・介護視点2経営の大規模効率化

介護制度改革(H30.4.11分科会社会保障費資料)
今回取り上げるのは、視点2最後に挙げられた課題です。

視点2 必要な保険給付を効率的に提供できるよう見直す

〇在宅と施設の公平性確保
〇保険者機能の強化
〇頻回サービスのチェック、サービスのモデル化
〇在宅サービスへの保険者のより強い関知
〇介護事業所・施設の経営の効率化

介護保険開始当初の事業所数は、施設が11,000、在宅が64,000。
(経営主体=事業者数はこれより少ない。)
直近平成28年では、施設が13,000、在宅が360,000。
在宅事業所数が6倍程度に増えています。
(以上データは、政府統計による)

当初以上に複数事業所経営の事業者は増えているかと思われますが、介護事業所・施設の経営主体規模は、小規模、とくに1法人で1施設や事業所、つまり1事業所=1事業者数が4割弱となっているようです。

介護事業所規模
介護事業者規模

この調査「事業所における介護労働実態調査」は全国事業所から無作為に17,000余りの事業所を対象にしたアンケートで、しかも回答は9,000弱、半分程度の回収率だったということです。
これをとらえて37万事業所全体像を語るには無理もあるかとは思われます。

が、おおよその傾向として、いかに小規模、従業員100人規模の割合が高いか、7割に上るのだと、その結果を語るには適当な調査結果なのでしょう。

同時に、規模による収支差の違いがあり、経営規模が小さければ小さいほど収支差がない、あるいはマイナスである、そんな傾向にあるとのことです。

事業所別収支差率
規模による収支差率


根拠となる審議会議事録を探しだせなかったのですが、私の記憶では、もう10年以上前、『500人規模以下の事業所はダメだ』みたいな発言があったのを覚えています。

明確な資料に基づくと、平成20年11月社会保障国民会議最終報告書の中に、例えば

〇「選択と集中」の考え方に基づいて、(中略)効率化すべきものは思い切って効率化し、他方で資源を集中投入すべきものには思い切った投入を行うことが必要

と記載されていたことが

平成25年8月の社会保障制度改革国民会議報告書の中では

〇医療・介護サービスのネットワーク化を図るためには、競争よりも協調が必要であり、医療法人等が容易に再編・統合できるよう制度の見直しを行うことが必要。

〇機能の分化・連携の推進に資するよう、法人間の合併や権利の移転等を速やかに行うことができる道を開くよう制度改正を検討する必要。

と明確に経営母体の大規模化への道筋を示しています。

合併統合でこのように収支利益が生じる、との図まで掲載されています。

合併でこうなる
合併でこうなる

ちなみに、大企業、中小企業、零細企業の基準ですが、
大規模企業は、法律で基準設定されていません。
中小零細ではない企業、です。
中小企業は中小企業基準法というのがあり、業種により資本金とか従業人数とか基準がありますが、概ね、50~300人規模を中小企業と呼んでいます。
零細企業は、概ね5~20人以下ということです。
要するに、私の記憶の中にある、「500人以下はダメ」っていうのは、大企業でないとだめ、というような意味合いだったのでしょう。

言うまでもなく、日本は自由市場経済です。
企業同士が激しい競争を繰り広げる、市場経済の原動力は企業間の競争にある、というのが前提です。
社会主義経済、共産主義経済では、企業は国の計画に基づいて統制されており、起業の自由も認められていません。

憲法に保障された、基本的人権。
国から制約も強制もされず、自由に考え、自由に行動する権利。
経済的な活動も、人権として保障されています。

ある意味、大規模化への施策は

職業選択の自由
営業の自由
(これは明記されてはいません。)

に微妙に抵触することから、具体的な大規模化推進案の詳細は、なかなか決まらずにここまで来ていました。
と言っても、事業所立ち上げに際しての条件は、制度改定ごとに厳しく設定しされていますが…

いかに福祉国家の理想を掲げても、効率的だからと言う理由で、国や自治体が民間の起業の自由を奪えないのです。
ところが今回の改定で、近い時期の方針として経営大規模化施策イメージが掲げられました。

経営大規模化施策イメージ
施策イメージ


効率、非効率、で企業自体を評価する価値観は、能率至上主義です。
たとえ財源が枯渇しかけているとの予測上の対応策としても、統制でそれを乗り越えていくのがいいのか。
あるいは、一人ひとりの幸せ、国の未来像をしっかりと共有するレベルから、国民がこの機に話し合って乗り越えていく道を模索するのか。
この国はどのようなカタチで、どのように進むべきなのか…

後者はまさしく非効率です。
時間も手間も、かかるでしょう。
でも、それが住民本位の政治原点だと、私は思います。

確かに、国は国民のことを考えています。
でも、国民一人ひとりのことは見ていない、国民全体としてみている、と感じます。
一人ひとり個性をもっている、能力のある人もない人もいる、その一人ひとりを思わない、寄り添わない政治は、不毛です。
数字で人を見ようとする行政手法は、受験、偏差値教育から健康、栄養方針、企業の営業、等々、これまで何度も失敗を重ねてきたのに、まだその道を進もうとしています。

本格的に人口減少の時代になり、やがて数千万の人口となる、その時本当に大切となるのは、一人ひとりの力、思い、です。
一人ひとりの潜在能力をいかに引き出すのか、数値では見えない力や思いをいかに引き出せるのか。
数字で人を見るのは、真逆だと思います。
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NPO法人ワーカーズふろむさやま

Author:NPO法人ワーカーズふろむさやま
「住み続けたい街は私たちの手で」をミッションとして、大阪狭山市を拠点に、高齢者の介護相談や介護への社会的理解を促す活動を進めるNPOです。

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