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社会保障費予算・介護視点2頻回サービスのチェック

今回取り上げる課題は、

視点2 必要な保険給付を効率的に提供できるよう見直す

〇在宅と施設の公平性確保
〇保険者機能の強化
〇頻回サービスのチェック、サービスのモデル化
〇在宅サービスへの保険者のより強い関知
〇介護事業所・施設の経営の効率化


平成30年4月11日社会保障審議会資料「社会保障費について」によると
訪問介護の生活援助サービスについては、月100回以上利用するケースなどが見られるとのことです。

認定調査員をしていた頃の体験ですが、毎日複数回訪問介護が入っている事例を担当したことが何件かありました。
さすが100回となれば、毎日3回以上、しかも生活援助サービス訪問があるということで、それなりの必要な理由があるかとは思いますが、普通に考え、他の代替案はないのかと首をかしげたくなる事例かとも思います。

このような頻回訪問介護サービス事例が多発し、どこかでそのチェック体制を整えたいとの国の意向から、標準的な介護サービス回数を打ち出し、そこからはみ出るケースについては、ケアマネジャーが保険者に説明する、という提案が4月改定時に示され、実際の施行は10月からというもので、4月時点では詳細案は示されていませんでした。

生活援助利用状況


標準のイメージ


先日5月10日、厚労省老健局振興課長から各都道府県介護保険主管部長宛て、訪問介護サービスの基準値通達が公布されました。
「厚生労働大臣が定める回数及び訪問介護」

要介護度別の訪問介護最大月回数が示されています。

要介護1 27回
要介護2 34回
要介護3 43回
要介護4 38回
要介護5 31回

この回数の根拠がどうやって出されたのかは、
直近1年間(平成28年10月~平成29年9月分)の給付実績全国)を基に、各月における要介護度別の

「全国平均利用回数+2標準偏差(2SD)」の回数

を算出したものとのことです。
ちなみに「SD」(Standerd Deviation)とは、統計で使われる「標準偏差」のこと。

偏差値とはよく成績の評価で使用されているもので、聞きなれていますが、どのような意味なのかは正直あまり知りませんでした。
以下は、「プログラムのための技術情報共有サイトQiita」が運営するサイトQiita「統計学・初めての「標準偏差」」を参照しました。

全国平均利用回数+2標準偏差(2SD)ですが、

全国平均利用回数、これは全国から集められた介護給付データ等から要介護度別に平均値がはじき出されます。
いわゆるaverageです。

次に、標準偏差、突然意味不明になるのですが、偏差とは何なのか、から入りましょう。
偏差は、各数値のばらつきを客観的に評価するときに用いられる、全部の平均値との差のことです。

例えば
A 80点
B 78点
C 95点
D 83点
E 99点

この数値の平均値は(80+78+95+83+99)÷5=87
各偏差は
A 80-87=-7
B 78-87=-9
C 95-87=8
D 83-87=-4
E 99-87=12
と導き出されます。

ここで各偏差の平均はというと、単純に偏差の値を足せば、ゼロになります。
そこで、数学では、このマイナスを抜いてしまいます。
何故抜くのか、そこは私にはなかなか理解できないのでサラッと進みます…

A 80-87=7
B 78-87=9
C 95-87=8
D 83-87=4
E 99-87=12

この値から平均を求め、

(7+9+8+4+12)÷5=8

8を「平均偏差」と呼びます。

「平均偏差」とは、
平均からの距離の平均
平均からどのくらい離れているかの指標
です。

A~Eの全体像として、平均点87点から、平均して8点ほど離れている、ということです。
この考え方、概念がほぼ標準偏差だと考えればいいようです。

標準偏差は、平均からどのくらい離れているかを平均したもの、というイメージ、です。
「平均偏差」は、マイナスを抜いてプラスに変えましたが、「標準偏差」は、二乗してマイナスを取るようです。
何故そうなのか、これも素人にはやはり難しくてわからないのですが、決まり事です。

そこで、「全国平均利用回数+2標準偏差(2SD)」の2SDですが、
基準値を求める場合の方法として、「平均値±2SD法」というものが統計学上あるとのことです。これも理由をどうこう言うよりは、定理としてみた方がいいでしょう。

はじき出される基準値に全体数のどの程度が入るのか、つまり基準範囲に属する割合は、

±1SDの場合は68.26%
±2SDの場合は95.44%
±3SDの場合は99.73%

つまり、ざっくり言うと、約5%程度の事例が検討ケースとして報告義務を負うというわけです。

「全国平均利用回数+2標準偏差(2SD)」については、何となく理解できましたが、
標準偏差値がどの程度だったのか、大きなばらつきがあったのか、あまりばらつきはなかったのか、そこがまったく知らされていないため、そもそも要介護度別に基準回数を出す必要性はあったのかどうか、問題は残ります。

平均して100事例中5例程度の報告義務案件が生じるとして、そのチェックの手間暇も結構大きいのではないか、また形式的な報告とならないか、現場サイドで考えれば、?????とも思います。

ただ、確かにこうして基準回数を出したり、今後出てくるだろうモデルケースを設定したりすることには、一部の営利主義に走る事業所への歯止めにはなるでしょう。

それにしても、やはりデータベース化が進むと、集まってくるデータを多種多様に分析したり、ある目的のために使用したり、今後随意にできるのではないか、つくづくと思います。
人は数字による説得に弱いのは間違いありませんから。
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NPO法人ワーカーズふろむさやま

Author:NPO法人ワーカーズふろむさやま
「住み続けたい街は私たちの手で」をミッションとして、大阪狭山市を拠点に、高齢者の介護相談や介護への社会的理解を促す活動を進めるNPOです。

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