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社会保障費予算・介護視点その1ケアマネジャー改革

平成30年度社会保障費予算に示された、今回の(医療)介護保険制度改定の視点をまとめてみます。

視点1 制度の持続を最優先とした保険給付範囲を考え直す

①「高度・高額な医療技術や医薬品への対応」
②「大きなリスクは共助、小さなリスクは自助」

視点2 必要な保険給付を効率的に提供できるよう見直す

①「公定価格の適正化・包括化」
②「医療提供体制の改革」


視点3 高齢化・人口減少の中でも持続可能な制度にする
①「年齢ではなく能力に応じた負担」
②「支え手減少での保険医療制度を見直す」

とくに視点2と3は医療と断ってはいますが「まずは医療、次いで介護」の意味だと思います。

各視点を踏まえ、改革工程表(改革の順番・最新2017年版)に基づいて検討は着々と進められています。

ここから、介護にかかわる検討課題として取り上げられている内容について見ていきます。

視点1から
〇ケアマネジメントの質の向上と利用者負担
〇軽度者へのサービスの地域支援事業への移行


視点2から
〇在宅と施設の公平性確保
〇保険者機能の強化
〇頻回サービスのチェック、サービスのモデル化

〇在宅サービスへの保険者のより強い関知
〇介護事業所・施設の経営の効率化

視点3から
〇介護保険の利用者負担
〇現役波所得の判定方法
〇支え手減少への対応


視点1 〇ケアマネジメントの質の向上と利用者負担について

介護保険サービスの利用には1割~2割の利用者負担がありますが、ケアマネジャー費用=居宅介護支援費については、利用者負担が制度開始当初から設定されていません。
そこを見直そうとの議論は、すでに何年も前から毎回改定の課題にあがってきました。

平均的なケアマネジャーの業務は、概ね次の流れです。

ケアマネ業務
「資料・社会保障費」

(体験から言うと、サービス先行、ケアプラン作成が後付け、という場合も大半あるでしょう。)

ケアマネジャー業務の費用は全額保険給付ですが、現在の保険給付額が妥当かどうか、評価をつけにくいものです。
何してるかよくわからなくても、利用者負担がないから、他のサービスのようには利用者やご家族の厳しい視線が向かない。

この春に改定された居宅介護支援費は
要介護1~2 1,053単位(1名/月)
要介護3~5 1,368単位

この単位数に減算や加算がつきます。
減算は 利用者数をあまりにたくさん持ちすぎた場合や各サービスを特定の事業所に集中させすぎている場合
加算は 3名以上のケアマネジャーがいる事業所で、研修体制や様々な基準が設けられていてそれをクリアする特定事業所となっている場合
さらに、入院時加算、退所加算、初回加算などが設けられています。
その加算や減算を加味した単位数に各地域加算率がかけられて給付額が決まります。
3名以上所属のケアマネジャーがいる事業所は概ね特定事業所加算を申請していますから、要介護1,2の利用者1名あたり13,000円程度の給付額となっています。

そもそも介護保険制度が出発したとき、いったいどのような基準から給付額は決まったのでしょうか。
今となっては、なかなか調べようがありません。

受け持った利用者の介護状態が安定しているか不安定なのか、利用者に対する訪問回数も変わってきますし、利用者、ご家族、各サービス関係機関の間をうまく調整する力はあるかどうか等、ケアマネジャー個人の特性もあり、妥当な額がいくらかは難しい問題です。

これまでケアマネジャーの大きな業務とされていた給付管理は、コンピュータ化が進み、各サービス、訪問介護とかデイサービスとか、併設するすべての業務管理を一元的にコンピューター管理する会社が大半となってきました。
今後はますます増加すると思われますから、ケアマネジャーのメイン業務とは言えなくなる日も近いでしょう。

さらに、以前触れましたがAIによるケアプラン作成、つまり類別したモデルプランがソフト化すれば、しかも国配給の一律ソフトになれば、ことさらケアマネジャーでなければできないこともなくなる?
もちろん、AIによるプランへの、訪問モニタリング観察等から得た情報の肉付けは必要とはなるでしょう。
ただ、この実現はまだ数年先です。

それまでの間、別に触れる保険者機能を強化する、つまり個別ケアプランを行政がチェックしつつ、一方で利用者からの費用負担を導入し、厳しい評価視線を組み入れよう、との方向が次第に現実味を帯びてきています。

ケママネチェック


私は、ケアプラン作成への利用者費用負担導入に基本的には賛成です。
また、AIによるケアプラン作成ソフトの一律化にも、賛成です。
もちろん、ケアマネジャーと言うべきかどうかは別として、調整する立場の人間の目線は必要だとは考えています。

現在のケアマネジャー資格取得方法にも異議があります。
近年10%、20%を切る難関試験となってしまったケアマネジャー実技取得資格試験は、頭脳、暗記テストの面が強調されすぎているようです。
多方面の知識は必要ですが、暗記していれば受かる、というのはおかしいでしょう。

将来的に、居宅介護支援費がガクと下がったりすると、現行の資格取得試験制度から生み出された何万人、何十万人の有資格者、就業者の今後の賃金はどうなるのか、難しい問題があります。
なかなかケアプランへの利用者負担、AIによるケアプラン導入の課題が実施されない原因の一因かとも思われます。

大量の老齢ベテランケアマネジャーの有効活用を図ればいいのですが、そうなると介護世界である程度安定職業化しているケアマネジャー職を目指す若年層をどうするのか、頭の痛いところです。
確固とした将来見通しを立てずに制度が20年続いてきたツケではないでしょうか。
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NPO法人ワーカーズふろむさやま

Author:NPO法人ワーカーズふろむさやま
「住み続けたい街は私たちの手で」をミッションとして、大阪狭山市を拠点に、高齢者の介護相談や介護への社会的理解を促す活動を進めるNPOです。

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