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尾籠ではありますが・・・

浣腸や摘便

便秘気味の方、ご高齢者を介護される方にとっては切実(;_;)
お若く胃腸活動のきっちりされた方には無縁かもしれませんが
服薬で管理しきれない、となると
欠かせない方法です。

今回の事例。

何日か便秘が続いていて、昨日固い便が一塊り出た。
それで浣腸を使い、出してあげたい、と
ご家族がデイに送り出す時に送迎職員に浣腸剤を渡した。
浣腸剤は市販品ではなく
先の長い、病院なんかでよく使う、60gと強めの品。


血圧低下や思わぬ事態も想定できます。
それでデイの管理者が私に電話してきた。

「うちではこれまで市販品以外の浣腸は扱ったことがなく、
血圧の変動もおありのご高齢(90代)でもあり
何かあったら責任問題にもなると思い、電話した」。


もちろんこの事例はれっきとした医療行為、となります。
本来なら医師の指示に基づく看護師の業務、です。
もちろんご家族がやる分には問題ないのですが。

介護施設、デイやショートでは、様々な医療的介助を行っています。

今では介護福祉士が当たり前のように行う業務でも、以前は医療行為として介護職には出来なかった行為もあります。

以下の項目は、もともと医療行為とされており、介護職が行っていいかどうか疑問を残しつつも医療行為ではない、とされた行為です。

・服薬介助(薬を飲んでいただく介助)
・軟膏塗布(床ずれの処置は除く)
・湿布を貼る
・目薬をさす
・坐薬を挿入する
・軽い切り傷や擦り傷の処置
・体温計での体温測定
・自動血圧測定器での血圧測定
・酸素濃度測定器の装着


ええーっ、驚きですね。

さらに、法律上は医療行為なのですが、介護職が行える医療行為として以下があります。

・耳垢を取り除く
・爪切り、爪やすり
・歯ブラシ、綿棒による口腔ケア(歯・口腔粘膜・舌)
・ストーマのパウチに溜まった排泄物除去
・自己導尿補助、カテーテルの準備、体位保持
市販の浣腸器による浣腸


また平成28年度の介護福祉士国家試験から、実務経験ありで受験する場合、実務経験3年以上という受験資格に加えて、実務者研修の修了が義務づけられました。
この実務者研修では、医療的スキルを学び、以下の医療行為を行えるようになりました。

・喀痰吸引(定期的に、痰を取り除く)
・経管栄養(体外から管を通して栄養や水分を投与する)


一方、基本的に看護師の仕事は主治医の指示の元に診療の補助を行うことと、療養上の世話、ということになっています。

このうち診療の補助が、医療行為です。
療養上の世話は看護師が主体となり行えますが、診療の補助は医師の指示の元でなければ行ってはなりません。
大きく分類すると以下の業務が看護師に許された医療行為です。

・ 医療機器の使用
・ 医薬品についての指示
・ 医薬品の授与
・ 薬剤の投与量の調節
・ 救命医療等における治療の優先順位の決定


具体的には採血、静脈注射、点滴、医療機器の操作などがこれにあたります。

医療行為とされる摘便や浣腸は、看護師であっても医師の指示がないと行えませんから、
この事例の場合、ご利用者の主治医に連絡を取り指示を仰ぐ事が看護師の仕事です。

指示書ではなく口頭の指示で問題ないようです。

結局私から主治医に確認し、浣腸了解の指示を口頭でいただきました。
(が、ご利用者ご家族とデイとの話し合いで、今日の浣腸は見送ることとなりました。)

もちろん、毎回口頭指示をもらう必要はなく、要は排便困難時は看護師判断で浣腸、摘便の医師の指示が必要、ということです。
急に言われて「ハイやります。」とはならない、わけです。

この事例を通して

*便秘がちで、最初からそういう事態になる事が想定されるなら、ケアプランで計画を立てますが、先月まで訪問看護がサービスに入っており、便秘対策はそこで担ってもらっていたのに

*体調の安定とともに訪問看護を必要なしとする(もちろん医師の許可も得ていますが)判断は、ご家族の希望ではあっても、ケアマネの判断で、その影響が今回の事例に繋がっていた。

その事に、深く気づかされました。

今後は、浣腸も市販の短いものであれば介護士で行えますが、利用者の状態により医療行為と捉えられる場合もあるため、家族も参加して担当者会議で専門的に協議して対応を決めるのが良いと思っています。

一方、訪問看護を入れずにデイで摘便や浣腸を頼む方法はありますが、事故がない訳ではありません。
デイとして、医療行為の浣腸を実施するにためらうのはもっともでしょう。

受診して下剤や便を柔らかくする薬で調整するか、適度な運動をして腸を動かしたり、食事に食物繊維を多く含んだ物を取る、水分を多く取る等をして自然排便になるようにする事も必要です。
摘便や浣腸は家族で行う事が可能ですから、施設だけに頼らずに家族で対応する事も含め、話し合いをしておけばよかったと、反省しています。

今の季節、夕景が美しすぎる…
今の季節、夕景が美しすぎる…

一つの事例は、突然起こったように見え、実は負の背景を抱えている場合が多いようです。

ご家族の負の背景
○希望がコロコロ変わる。
○何度か試さないと納得できない。
○人の助言があまり耳に入らない。

ケアマネ・私の負の背景
○御用聞きになっている所がある=後づけプラン。
○アセスメントでの自分の見解を押せない。
○転んでからの杖、に迎合してしまう。

デイの負の背景
○浣腸等医療行為、介護師ができる行為等のマニュアルがない。
○責任を背負いたくない。
○日常業務で手一杯、これ以上の負担はイヤ。

(少し厳しく極端な見方で、その何倍もそれぞれ素晴らしい部分の背景があり、だからこそ数年以上のお付き合いが続いているのです。)

負の背景は、問題が起こったときにかい間見え隠れします。
それをほおっておくと、また何度も姿かたちを変えて厄介な問題として浮上してきます。

ただ、ご家族は長い介護生活に疲れ、事業所も業務に追われ続けています。
やたらと正当論をぶちまけるのは違うでしょう。

じゃあ、できることはないのか?

そうです、私の負の背景を変えていくことは、私自身でできるはずです。
そこを本当に変えて、自分の限界をしっかり認識、一歩でも乗り越えることができたなら、多分事態は違う様相を示すはずです。

その道こそが、ケアマネジャーとして、ご利用者、ご家族、各サービス担当者さんたちとの協働を生み出す
ケアパートナーとしての歩み
でしょう。

一つの事例をどう見ていくのか、事例検討とは奥深いものですね。
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プロフィール

NPO法人ワーカーズふろむさやま

Author:NPO法人ワーカーズふろむさやま
「住み続けたい街は私たちの手で」をミッションとして、大阪狭山市を拠点に、高齢者の介護相談や介護への社会的理解を促す活動を進めるNPOです。

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